SF映画などのフィクションでよく見られる空間上での情報伝達。遠くにいるのに同じ空間を共有してコミュニケーションを取っているようなシーンがありますよね。
VRが誕生してどれくらい情報伝達技術と密接に関わっているのか気になっている方も多くいらっしゃると思います。
そこで、今回は数多くの情報を精査し徹底的に調査した私が、未だ進化を続けるVRとインターネットについて実例を交えて解説します。
VRによって今まではできなかった何ができるようになるのか、そしてその新しくできるようになったことはインターネットにどのような進化をもたらすのか、ポイントを押さえながら実例まで見ていきましょう!
目次
外から見ていたインターネット、VRで内部へ没入
あなたが今このページを開いている端末はなんですか? パソコンですか?それともスマホ?
何にしてもおそらく、あなたの目の前にあるものは四角い枠に区切られたモニターと呼ばれるものだと思います。
ですが、そのモニターを通して画面を見ている時、モニターの中に映るものはその四角い枠から出ることはできません。
あなたは画面の中に映るものを薄いガラス越しに「こちら側」から見ているにすぎないのです。
右を見れば現実世界、上を向いても現実世界。画面と現実世界の境目は四角い枠によってきっちり線引きされてしまっていますね。
さて、VRではどうでしょうか。
現在開発されているVRも実際のところは頭にモニターを取り付けます。
しかし、上下左右どこを向いても視界の中央にはモニター。 モニターに映る内容も頭の向きに応じて移動します。
イメージとしては、内側がモニターの球体に入ってしまったようで現実とモニターに境がなく、自由に辺りを見渡すことができるような状態です。
これが従来のモニターによる表現とVR技術による表現の違いです。 インターネットを使う時、今まではインターネットを端末の外部から操作していました。
VRの時代には、自分がVRによって作られた世界の内側に入り操作をすることになるのです。
VRは電脳世界を「実体験」させる
VRとはVirtual Realityの略ですが、このVirtualという単語、どういう意味でしょうか?
よく仮想という日本語に訳され、仮想現実という表現のされ方をしますね。
しかし実のところVirtualと仮想という言葉の意味にはズレがあります。
仮想というのは「仮にあるとされた想像上のもの」、Virtualは「作られたものであっても、本質は同じもの」。
つまり、Virtual Realityというのは「作られた現実」であり、見た目やルールは違えど「今私達がいる現実」と本質は同じものなのです。
VR機器の性能が高くなればなるほど「作られた現実」に没入し、今どちらの世界を見ているのかがわからなくなってしまいます。
そういった状態に陥ると、知覚される情報が作り物であったとしても、知覚する本人はその世界を仮想のものとしてではなく現実として感じることができるのです。
どうしてそのような現象が起きるのかというと、VRが作り出すものは単なる映像などではなく、自分の周り上下左右360°全ての情報が擬似的な空間であるから。
受け取る情報の量や質が近い時、人間の脳からしてみると現実もVRも違いは無いということですね。
VRで作り出された空間に一人称の視点で入り込むことで、その現実を視聴というかたちではなく体験というかたちで受け取ることができるのです。
インターネットで世界を移動する
VRは人と人との物理的距離を無くします。というのも、先ほどVRは「見る」・「聞く」を「体験」に変えるという話をしましたが、それはインターネットを通じての人間同士のやり取りもVRによって空間の共有となるためです。
これまで、インターネットを通じた人間同士のやりとりで1番多くの情報量を伝えることができていたのはテレビ電話でした。
しかし、やはりテレビ電話というのは画面の中の相手の顔を「見て」声を「聞く」だけにすぎず、目の前にあるたった1枚のガラスが距離というものを感じさせていました。
現実で空間を共有しなければならないとなると、お互いが現実世界の同じ場所に移動する必要があります。
もし当人らの間に海などが挟むとなるとかなりのコスト・時間がかかってしまいますね。 これは至極当然のことで仕方のないことでした。
それがVRになると離れていても相手と同じ空間に行くことができ、見て聞くだけではなく相手と一緒にいるという体験をすることができるのです。
インターネットを通じたVRの利点は、どんなに離れていても瞬時に空間を共有することができるという点ですね。
インターネットに繋がったVRさえあれば、各自の家からそのVRにより作られた空間に集まることができます。
日本にいても、日本の裏側のブラジルの空間に一瞬で移動可能。
さらにその空間の内容さえあなたの思いのままです。 ブラジルの風景で作られた空間も、相手の部屋の室内を模した空間も。
これは空間を擬似的に作り出すVR技術と、インターネットの情報伝達の速さがあってこそできることなのです。
インターネットの速さがもたらしたもの
インターネットの情報伝達の速さが手助けとなって、これからは遠さの問題でそんなに会えることの無いはずであった人間とも、何度でも会うことができます。
さらに、VR内の自由に参加できるオンライン空間を歩いていると、実際の地理的には普通に生きていたら出会うことが無かったであろう人間と出会うこともあるでしょう。
これはVRとインターネットがなければなかなかに実現しにくいことです。
例えば北海道に住んでいる方と沖縄に住んでいる方はネットの掲示板で話すことはあっても同じ空間をすれ違うなんてことは滅多に無いですからね。
VRがあれば、どんなに天気が悪くても、どんなに時間が遅くても、どんなに遠くても、VRを使うことで様々な人々と会うことが出来るのです。
遠くはなれているはずの人間で同じ空間を共有する、これは人と人との物理的距離を技術が超越しているといえます。
空間を共有するという表現にピンと来ない方もいらっしゃると思うので、このあとは「VRとインターネットで空間を共有している例」をご紹介しようと思います。
VRで空間を共有する実例
ここからは、VRとインターネットの技術で空間を共有するということをわかりやすくするために、実際に空間を共有している例を2つご紹介致します。360度カメラによるテレビ電話
1つめは360度カメラによるテレビ電話です。 360度カメラというのはその名の通り上下左右360度全ての方向の映像を同時に取ることのできるカメラのこと。
このカメラから送られてくる情報を自分の視点に重ねることで、360度カメラが動いている空間を自分の元に呼ぶことができます。
つまり、今まではウェブカメラなどで対面でのテレビ電話が主流でしたが、この360度カメラとVRを使うことで自分の部屋に相手を呼んだり、相手の部屋を体験することができるのです。
もうすでに、VRを使った360°のライブストリーミングエンターテインメントなどは実現しているので、skypeなどのテレビ電話ができるサービスに360°テレビ電話が導入される日も遠くはないでしょう。
そのような機能は今後、離れた場所から通える英会話教室のようなサービスに期待が寄せられています。
VR Chat
VR Chatとは、Steamというゲーム配信サイトが無料で配信しているオンラインチャットアプリのこと。名前にVRとあるように、ユーザーは好きなアバターの姿でオンラインの空間に参加。
自分と同じようにVR技術を使って参加しているユーザーは世界中から集っており、そのユーザーたちと自由に交流をすることができます。
さらにその空間にはさまざまな部屋があり、映画館の様なところで一緒に好きな動画を見たり、VRパブでカラオケを楽しんだり、独自のイベントを開いたり、街なかを散歩をしたり、過ごし方も非常に多様。
また、そのアプリを通じて自分だけのVR空間を作ることもできるのです。
そのなんでもできる自由なオンライン空間が大ヒットし、1ヶ月で100万人もの新規ユーザーを獲得するなどVR Chatは爆発的に人気を得ています。
まとめ
VRの魅力が伝わったでしょうか? 今後、VRでできることはより広がっていくでしょう。そしてそれを支えているインターネット回線。 最近では速度と携帯性を兼ね備えたWiMAXなどが普及しており、家の外でもVR技術を使うことが可能になっていくことも予想されます。
人と人とを近づける最先端のテクノロジー。 更なる技術の進歩に期待しておきましょう。
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