仮想通貨,VR

VR

VRと仮想通貨ではじめる電脳生活~Decentraland~

「VR」、「仮想通貨」どちらも最近かなり話題となっている技術ですね。

「仮想通貨ってVRに使えるんじゃないの?」

あなたもそう思ったことはないでしょうか? 実際にVRと仮想通貨がVRオンラインゲームの中で早くも一緒に使われようとしているようです。

そこで実際の応用例を調べ、仮想通貨とVRが今後どのように応用されるのかを徹底的に調査しました。

今回はどのように2つの技術が組み合わさるのか、今後どうなっていくのかを事実を元に確かめていこうと思います!

どんなふうにVRと仮想通貨の技術が応用されているのか、一緒に見ていきましょう!


VR専用の仮想通貨が登場していた

今日、様々な種類の仮想通貨が取引されています。 その現在取引されている数多くある仮想通貨の中に、VRの中でのみ使うことを想定した仮想通貨があるのです。

一体VRのどのようなサービスに仮想通貨が必要となるのでしょうか。そのVRの世界で仮想通貨を使って何ができるのでしょうか。

そのVRの謎に迫る前に、知らない人が見てもわかるところから簡単にVRと仮想通貨についておさらいしてみましょう。

VRって何?


VRとは、Vurtual reality(バーチャル・リアリティ)の略。
人工的に作られた世界をあたかも今自分がいる世界のように思わせるようなものがあればそれはVRです。 現代の技術ではヘッドマウントディスプレイと呼ばれる頭の目の前に取り付けられたモニターを使って、頭の動きに追従する形で映像を動かすことでそれを実現しています。

イメージとしては内側すべてが高性能なモニターとなっている球体を想像してみてください。 その中心にあなたがいるとしましょう。

上を見ても左を見てもどこを見ても人工的に作られた世界がリアルに広がっていたら、モニターに触れてしまわない限り自分が映像を見ているだけだとは思わないのではないでしょうか。

つまり、VRとはそういった環境によって見せられる人工的現実感のこと。 ゲームや映像コンテンツなど様々な分野で期待が広まっています。

仮想通貨って何?

仮想通貨とは、オンライン上でやり取りすることのできる仮想の通貨。

仮想通貨と聞くとBitCoinという名前をよく聞くと思いますが、実はもっと多くの種類があり今も新しいものが生まれ続けています。

仮想というのは、実際に通貨が何処かに存在しているわけではなく価値を保証している公的機関も無いためです。

しかし、完成度の高い仕組みと暗号化技術による厳重なセキュリティで今のところ仮想通貨自体は安全といえ、当初はユーザー間での取引のみに使われていましたが、最近では有名な仮想通貨になるとヨドバシカメラのような一般のお店でなど、使うことのできる場は増えています。

そして、仮想通貨の重要な特徴の1つとして挙げられるのは、日本円やドルと同じように価値が変動するということです。 買う人が増えれば価値は上がり、逆に売る人が増えれば価値は下がります。

さらに詳しい仕組みについて書いていくとここでは筆が足りなくなってしまうので控えようと思いますが、ここでの話を理解するには充分な知識の準備ができました


その仮想通貨はMANA

基礎知識のおさらいができたところで、早速VRの世界で使われる仮想通貨についてお話をしていきましょう。

その仮想通貨は2017年8月に現れた「MANA」という名前の仮想通貨。

この仮想通貨はDecentralandというVRゲームのために用意された仮想通貨で、MANA自体の正式名称もDecentralandです。(通貨の単位がMANA)

MANAはこのDecentralandというVRゲームの中でのみ使うことができます。 しかしDecentralandはまだサービスを開始しておらず、Decentralandの世界に入ることはできません。

それにもかかわらず、このMANAが2017年12月に爆発的に価値が上がるということがありました。 なんと4倍近くの価値まで上がったMANAはその後下がったり上がったり激しく変動を続けています。

なぜサービスが開始していないにもかかわらずここまでの価値の上昇や変動があるのでしょうか。

それを説明するにはDecentralandというVurtual Reality(VR)についてもっと理解を深める必要があります。

VRソーシャルプラットフォーム「Decentraland」


DecentralandとはVRソーシャルプラットフォームというジャンルに分類されるVRゲーム。

ゲームといっても一般的なゲームのように魔王を倒したり世界を救ったりといった明確な目的があるわけではなく、ユーザーは各々の目的に沿ってVRの中での「生活」を楽しむというような内容になっています。

ゲームの中で生活といってもピンとこないかと思いますが、現代人の第二の現実として実際に現実世界でしているような事がDecentralandでは行われるのです。

Decentralandには有限な土地が広がっており、その土地を購入してサービスを始めたり、その誰かが運営している土地に遊びに行ったり、ビジネスを行ったりなど遊び方は様々。

現実の世界で経営者が土地を買って店を立てて洋服を売り消費者が買いに来るという一連の流れがありますが、Decentralandの中はこれと全く同じことを行われます。

実際の土地の使われ方としては、カジノやゲームセンター、カラオケなどの娯楽施設、現実世界の企業による広告塔、デジタルグッズの販売、ユーザー同士の交流の場、転売して不動産業で稼ぐなど、様々な用途が考えられます。

その土地で行われるサービスにかかる料金や土地の購入代金がMANAという仮想通貨でやり取りされるのです。

そしてこのゲームの特徴として今までのオンラインゲームと大きく違うところは、運営者がいないということ。

もちろん、作った人はいま開発を進めている人たちとなりますが、ゲームを今後管理していく人はいないのです。

各々のユーザーが土地を買ってそこで勝手にサービスを進めていく、その記録だけがブロックチェーンという特別な技術で次々と保存されていく。

つまり、Decentralandそのものだけで世界として成り立っており、管理者のいない真の意味での人工的「現実」と言えるゲームとなります。

現在、Decentraland自体はサービスを始めておらずまだ中に入ることは出来ないものの、土地の所有権をめぐったジェネシスシティーオークションというテラフォーミングイベントが2017年11月より開催されています。

このイベントでは10m×10mの土地がいくつも売り出されており、イベント参加者は欲しい土地を選んで競売によりその土地の所有権を手に入れます。

やはり、人が集まりやすいと考えられる公共の通り沿いなどは高額な金額が既についており、場所によっては日本円にして500万円以上もの値段になっているようです。

この競売で使われる通貨ももちろん仮想通貨のMANA。

つまり現在MANAの価値が変動している理由は、土地の所有権獲得のためにMANAを集める人と、それを見て今後のDecentralandへの期待を込める意味でMANAを購入しておこうと考えている人の存在なのです。

総額で18億円ほどのお金がMANAに変えられているというのだから驚きですね。

このDecentralandのようなVRは、流行り方次第によっては今の現実世界の自分と姿も地位も住んでいるところも全く違った自分になれる第二の現実世界となる可能性が秘められているのです。

最後の項では、今後サービスを開始した時にこのDecentralandがどうなるか、過去の実例を見ながら共に考えていきます。

VRゲーム「Decentraland」の今後は?

先ほどご紹介した、Decentralandが成功するか、はたまた失敗するかでMANAという仮想通貨の価値も動きます。 世界中にいるMANAを購入したユーザーの判断は正解だったのでしょうか。

この項の前半では、DecentralandとMANAがどうなっていくか、過去にあった同様の趣旨のゲームを参考にしつつ見ていきましょう。

後半では、VRと仮想通貨が今後どう絡み合っていくのかを考えます。

「second life」の失敗例と「Decentraland」の進化

実は過去にも、Decentralandのように土地の売買や通貨のやり取りができるバーチャル・リアリティの世界を作った企業がありました。

その企業はアメリカ・サンフランシスコに本社を置くリンデンラボ社、VRの名は「second life」。

もちろん、その頃のVR技術は現在ほど発展しておらず、ヘッドマウントディスプレイも使われていなかったので普通のパソコンのモニターで遊ぶことのできるゲームでした。

このゲームは2007年頃に日本でも話題になり始め、メディアにも数多く登場していたことから名前だけは知っているという人も多いでしょう。

この時の話題性はかなりのもので連日のようにニュース番組やバラエティ番組で取り上げられ、次世代のインターネットの形とまで言われていました。

その流れに乗って慶應義塾大学のような有名大学、さらにはTOYOTA自動車や電通、日本テレビなど日本の名だたる企業の数々までもがVRの世界に土地を買い、キャンパスや支店を立てて宣伝を行うほどでした。

しかし、メディアや企業によるsecond lifeの加熱とは裏腹に日本人ユーザーはそれほど集まらず、集まったユーザーも次々と辞めて話題性を失っていきました。

その後日本以外の国でもだんだんとユーザーを失い始めたsecond lifeは、次々とVR内のエリアを閉鎖し、現在では以前と比べてかなり小さな規模のVRとなってしまいました。

この例を見ると、second lifeのような第二の現実を謳ったコンテンツは受けれられにくかったのではないかと考えられています。

第二の現実といってもやはり現実世界と比べてしまうとバーチャル・リアリティの完成度は低く、わざわざゲームで現実を楽しむ必要がないという考え方のためです。

それではsecond lifeと同じような趣旨のDecentralandもすぐに忘れ去られてしまう存在となってしまうのでしょうか。

いいえ、Decentralandにおいては明らかにsecond lifeとは違う、圧倒的に進化している部分が二箇所あります。

Decentralandが受け入れられないと言うにはまだ早く、むしろこれなら受け入れられるだろうと言える程の進化が。

それは、「VR技術の進化」と「現実としての本質を手に入れたこと」です。

VR技術の進化

1つ目の進化は、VR技術の進化

second lifeの操作はパソコンのモニターを通して行われました。

そうなってしまうとやはり、ゲームはゲームの域にとどまってしまい、VRの中で生活をしているという気持ちにはなりません。

さらに視界の中心にモニターがあったとしても、視界の端に移っているモニターの外側が現実世界となっては第二の現実に集中なんてできるわけがないのです。

所詮は現実世界にいる自分がモニターのこちら側からゲームの世界のキャラクターを操作しているだけという感覚にしかなりませんね。

VRの話では、対象に意識が注がれるために他の事が気にならなくなる度合いといった意味の没入感という単語がよく登場するのですが、second lifeには没入感が圧倒的に足りなかったのですね。

しかし、最近のVR技術ではVRの中での周囲360度全ての情報を本人に与えることができ、視界に現実世界とVRとの境目が入ってしまうことがありません。

現在のVR技術はすごいもので、本人が途中でどちらの世界にいるのか分からなくなってしまうほどの没入感を与えることができます。

VRの世界に入っている間はその世界の環境にだけ集中することができ、操作している対象はキャラクターではなく自分自身。

この様な状況でなら第二の現実を心から楽しむことのできる可能性は大いにあります。


現実としての本質を手に入れた

そして2つ目の進化は、現実としての本質を手に入れたということ。 これだけでは何を言っているのかわかりませんね。

説明のために、先にsecond lifeがなぜ第二の現実としての本質を持っていないのかを説明します。

それは、管理人に管理されているからです。

ブロックチェーンの技術も発達していなかった当時、その世界を管理・運営していたのはsecond lifeを作ったリンデンラボ社でした。

リンデンラボ社が全てを作り、リンデンラボ社がイベントなどを考え、もしリンデンラボ社がサービスをやめれば世界も終わる。

そしてsecond lifeの中で使われている通貨は仮想通貨などではなく、second lifeにお金を払うことで得られるゲーム内通貨。

通貨の価値さえリンデンラボ社が決定しているということです。

これでは世界として自律しているとは言えませんね。 それではDecentralandを見てみましょう。

Decentralandにもその世界の仕組みを作った人間はいます。

しかしあるのはその仕組みだけ。

ブロックチェーンによりユーザーの行動がどんどん反映されていくのでDecentralandを管理するものはおらず、イベントなどを思考し運営するのもユーザー自身で、どんなにユーザーが減ろうが世界は動き続ける。

そしてゲーム内通貨に仮想通貨が使われていることで、円やドルなどの価値が売買によって変動する様に、通貨の価値を決めているのもユーザー。

Decentralandは全てがユーザーによって変化する自律的な世界として成立しているとは思いませんか。


この2つの進化により、Decentralandが世の中に受け入れられることはかなり現実的なものになってきました。

そして、そう考える人が多いからこそ18億円分ものMANAが世界で購入されているのでしょう。


VRと仮想通貨の未来は

「VRと仮想通貨の未来は」と書きましたが、実は今後この2つが密接に絡み合っていくということはDecentralandのようなゲームを除いては無いでしょう。

なぜなら、その必要がないため。

今回のDecentralandのように、バーチャルリアリティに世界としての本質を持たせるという役割においては仮想通貨は必須のアイテムです。

しかし世界を楽しむという目的でのVRではなく、ツールとしての目的で使うVRであれば、仮想通貨が無ければいけないというような場面はあまり無いと考えられます。

バーチャルリアリティ内で完結する買い物では無く、VRを通して現実世界の買い物をする場合、作った人間が現実世界の通貨で価値を決め、その金額で商品やサービスを売ったとしてもなにも問題はないのです。

もちろん、オプションとして仮想通貨での支払いができる機能が実装されることは予想されますが、それでしか買うことができないという状況にはなりかねないので2つの技術がお互いに不可欠で密接に関わっていくようになるという未来は想像しづらいものになります。

ただ、VRと仮想通貨を使ったたった1つのゲームのために18億円の仮想通貨が購入されているということは、VR、仮想通貨それぞれで今後の期待が爆発的に膨らんでいるということは確かですね。


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